椙山泰生はいう。
『勝つための戦略には3つあり、
「他社に比べて徹底的にコストを削減する」か、
「際立った特長のある製品を作る」か、
「特定の顧客にターゲットを絞り込む」か――
いずれかの「ポジションニング」を取ることで競争優位に立てると主張した』
しかし、それでは うまく説明がつかない しくみが生まれつつある。
企業の強さを「エコシステム(生態系)」という視点で分析しようとする新しい考え方を取り上げる。この考え方では、ある企業が競争において強さを発揮でき
ている理由をその企業の戦略ではなく、その企業がほかの企業と形成している「生態系」に求めようとする。現実の企業は、個々に独立しているわけではなく、
様々な企業と関係しながらビジネスを行い、その関係の上に強みを構築している。こうした現実の企業のあり方に即して、企業の競争力を解き明かしていこうと
いう試みだ。
『コンビニ業界の中でも特にセブン‐イレブンの競争力は高く、店舗当たりの収益で競合他社をかなり引き離しています。国内1万3000店という加盟店数
は、2位のローソンを3000店以上も上回っています。その原動力の1つとなったのはパートナー企業との密接な関係です。高度な発注・配送システムを築
き、加盟店、問屋、メーカーなどと、共存共栄を目的とした長期的な協力関係を築いています。
店頭で膨大なPOS(販売時点情報管理)のデータを集め、どの商品が、いつどこで、どんな消費者に買われているかという情報を、加盟店の在庫管理や配送はもちろん、メーカーとも積極的に共有し商品開発などに活用しています。
このような協調関係は、他社の資源を引き付けることになります。セブン‐イレブンに商品を供給しているメーカーが、セブン‐イレブンの情報に応える形で
商品を開発するための資源を優先的に投入していくようになり、そのことがセブン‐イレブンの競争力を高めることにつながっているのです。』
『自然界では、やや乱暴な言い方かもしれませんが、個体の生存と繁栄はシステム,すなわち生態系の健全性に依存しています。そこで、ビジネスの世界でのこのような状況を「生態系」あるいは「エコシステム」としてとらえようという見方が浮上してきているのだと思います。』
『エコシステムという概念の核心は、「ある企業の競争力の増大や成長は、その企業が属しているエコシステムの成長に連動している」という点にあります。
繰り返しになりますが、企業の成長が、その企業単独で実現されることはまれです。自社の製品やサービスが競争力を持ち成長するためは、他社の補完財や、部品や設備業界などの発展が必要となるケースが多いのです。
この場合、近視眼的に自社の利益を追求することは、決して得策にはなりません。企業を取り巻くエコシステム全体の健全性が、その企業の成長や収益性にとって重要になります。』
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